飲食業の起業成功率は何%くらい？成功例・失敗例なども紹介

「いつか自分の店を出したい」と夢を抱いている料理人、「老後は飲食店でも始めたいな」と考えているサラリーマンなど、自分のお店を持って飲食事業を始めたいと思っている方は数多くいらっしゃるかと思います。
日々の生活の中でたくさん利用する飲食店。
身近な存在でありビジネスモデルがわかりやすいと思われがちな飲食店ですが、実は気軽に始められる業種とはいえません。
飲食店は廃業率(閉店率)が高いという事実は知っている方が多いと思いますが、実際のところどのくらいの飲食店が成功しているのでしょうか。

飲食業の起業成功率は何%くらい？

飲食店の閉店率は1年目で約30％。
2年目になると約50％が閉店、3年目では約70％ものお店が廃業してしまいます。

成功率はシンプルにその逆を見てみれば明らかかと思います。

飲食店で成功する確率がここまで著しく低いのはどうしてなのでしょうか。

飲食業の起業成功率がこんなに低いのはなぜ？

飲食業の起業成功率が低い理由を具体的にみていきましょう。

経営計画が甘かった

1年足らずで廃業してしまう現実がある以上、経営計画が甘かった、事業の見通しが立っていなかったという原因も否めません。
特に初めての起業でお店を出す場合、ビジネスの右も左もわかっていない中で生き残りが難しい飲食店という業種を選んでいるので、そのハードルの高さは想像以上だったのではないかと思います。

飲食業はかかるコストが大きい

飲食業はまず店舗を借り、食器など必要な物資を購入またはレンタルするところからスタートします。
そしてアルバイトや社員を雇うために求人広告を出しますが、この求人広告も数万円〜数十万円とおそらく皆様が想像している以上に高いです。
初期コストだけ見てもこれだけ大きいことがわかりますが、その上店舗は毎月家賃がかかり、水道光熱費、アルバイトや社員に払う人件費、食材の仕入れなどランニングコスト(運転資金)も高くつきます。
売上の多い少ないに関わらず、これだけたくさんのお金が毎月コンスタントに必要になるのです。

飲食店を経営していくのであれば半年間は赤字を覚悟して最初の資金でなんとか生き抜かねばならないと言われています。

このように初期コストに加えランニングコストも大きい飲食店というビジネスは気軽に始められるビジネスとは言えませんし、成功率が低くなるのも納得ですね。

競合が多い

飲食業は廃業率も高いものの、開業率も高いため、日々多くの飲食店が誕生しています。
その分市場が著しく成長を続けていて競争相手が増えれば増えるほど顧客を多くの競合との間で取り合う状態となってしまいます。
リピート顧客を確実に掴み、新規顧客を定期的に獲得しにいかなければ収益を獲得することが難しい業界です。

飲食業起業の成功例・失敗例

前章で飲食業の成功率が低い理由を見てみましたが、実際に飲食業を起業して成功した例、失敗した例はどのようなものが挙げられるでしょうか。

飲食業起業の成功例1：価格戦略に勝利

客単価が3,000円を超えない価格設定に抑えるなど価格戦略を立て、狙える客層を広げ、利用頻度をアップすることが飲食業での成功の鍵となった事例が数多くあります。

飲食業起業の成功例2：看板メニューをバズらせる

何が売りの店なのかを明確にし、話題性のある看板メニューを打ち出し、SNSなどを通してバズらせる方法も成功例としてよく挙げられています。
しかし一度バズったからといってその時に提供する料理やサービスの質が悪ければリピートには繋がりません。
注目を集め、お店に足を運んでもらうきっかけを作り出せたらその時こそお客さんに「またきたい」と思ってもらうための勝負どころです。

飲食業起業の失敗例1：元料理人が味にこだわりすぎる

料理はまったく素人という人がオープンするお店と元料理人が腕によりをかけた料理を提供するお店、どちらの方が廃業率が高いでしょうか。
実は答えは後者の元料理人がオープンするお店。

理由は明確です。
お客様においしいものを提供したい、快適な時間を過ごしていただきたいと心から思い、完璧を求めてしまうためです。

おいしいものを食べて満足してもらいたい！という想い自体はサービス業の本質であり、むしろ大切な考え方なのですが、おいしさを追求するが故に原価度外視の商品を提供してしまったり快適な店舗を作り上げるために経費がかさみすぎるなどして、利益が出せなかったという失敗に陥るケースが多いのです。

飲食業起業の失敗例2：料理・サービスの質が下がっていく

冒頭で飲食店の廃業率として2年目に約50％が閉店、3年目では約70％が閉店してしまうと解説いたしました。
2〜3年と生き残れた飲食店がここで失敗してしまう理由として料理、サービスの質が低下していくことが挙げられます。

「利益をもっと出したい」と考え仕入れる食材の原価を下げたり量を減らすなどして意図的に料理の質を落としてしまうケースもありますが、働くスタッフがうまく育てられず、入れ替わりが激しいがためにサービスの質が安定しないという例も多いです。
「なんだこの店」と一度思われてしまうとそこでそのお客様を失ってしまいます。
料理、サービスの質を維持していくことが難しいのも飲食業が失敗してしまう大きな理由の一つなんですね。

まとめ

今回は飲食業の起業成功率は何%くらいなのか分析するとともに、飲食業起業の成功例・失敗例をまとめてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。開業からたった3年で7割ものお店が閉店してしまう飲食業界。飲食業で起業し成功を収めるのはとても難しいことだと伝わったかと思いますが、成功事例・失敗事例からしっかり学び、成功できる飲食店経営者になれるといいですよね。ぜひ参考にしてみてください。