起業後、安定して仕事を依頼してくれる取引先が見つかると、ついその会社からの受注に頼りたくなります。
毎月一定の売上が入ることは大きな安心材料ですが、売上の大部分を1社に依存する状態には注意が必要です。
取引先の方針変更や発注減少など、自社ではコントロールできない理由で売上が大きく減る可能性があるからです。
特定の取引先に依存しすぎないことは、売上だけでなく、取引条件を維持するうえでも重要です。
この記事では、起業後に1社依存へ陥るリスクと、無理なく売上の柱を分散させる方法を解説します。
この記事でわかること
- 取引先1社に売上を依存するリスク
- 起業後に売上の柱を増やす具体的な方法
- 既存顧客を守りながら新規顧客を増やすコツ
- 売上を分散するときに注意したいポイント
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取引先1社に売上を依存するリスク
1社から安定して仕事を受けられること自体は悪いことではありません。
起業直後であれば、少数の取引先から継続的に受注することで、事業を安定させられる場合もあります。
問題なのは、その1社が売上の大部分を占めている状態です。
たとえば、年間売上1,000万円のうち900万円を1社から受注している場合、その会社からの発注が半分になるだけで、売上は大きく落ち込みます。
取引先の業績悪化、担当部署の方針変更、外注先の見直しなど、相手側の事情によって取引量が変わることもあります。
また、1社への依存度が高いと、価格や納期などの条件についても交渉しにくくなる場合があります。
起業後に売上の柱を増やす具体的な方法
1社依存から抜け出すのにいきなり新規事業を始める必要はありません。
今の事業を活かして、新しい顧客を増やすことから始めましょう。
まずは「売上の何%を1社に頼っているか」を確認する
売上を分散する第一歩は、自社の現状を数字で確認することです。
取引先ごとに年間売上を集計し「A社30%、B社20%、C社10%」というように割合を出してみましょう。
特に確認したいのが、最大の取引先が売上全体のどれくらいを占めているかです。
1社への依存度が高いと分かったら、すぐにその取引先との契約を減らす必要はありません。
まずは「もしこの会社からの受注が減ったら、どれくらい売上が減るのか」を把握することが重要です。
売上だけでなく、取引先ごとの利益や対応時間も確認しておくと、どの顧客を伸ばすべきかも判断しやすくなります。
既存顧客から紹介を増やす
すでに自社のサービスを利用している顧客から、別の会社を紹介してもらう方法です。
実績がある状態から営業できるため、ゼロから新規顧客を探すよりも進めやすい場合があります。
「同じような課題を抱えている会社があれば紹介してください」と具体的に伝えるだけでも、紹介につながる可能性があります。
自社の強みを活かして新規顧客を開拓する
次に、自社が得意な分野を明確にして、新しい顧客へ営業します。
「何でもできます」と広くアピールするより、「中小企業のWeb集客が得意」「店舗向けの業務効率化に強い」など、誰に何を提供できるのかを明確にしたほうが、必要としている顧客に届きやすくなります。
顧客層を少しずつ広げる
同じ業界の顧客だけに依存している場合は、近い業界や別の顧客層にも営業先を広げてみましょう。
たとえば建設会社だけと取引しているのであれば、不動産会社やリフォーム会社にもサービスを提案するといった方法です。
ただし、まったく経験のない分野へ一気に広げるのではなく、現在のノウハウを活かせる範囲から始めることがポイントです。
1社依存を避けるために「営業を止めない」
起業後にありがちなのが「仕事が十分にあるから営業をやめる」という状態です。
既存顧客から安定して依頼が来ていると、新規開拓の優先順位は下がりやすくなります。
しかし、営業を止めると、既存顧客からの受注が減ったときに慌てて新しい顧客を探すことになります。
そのため、忙しい時期でも少しずつ営業活動を続けることが大切です。
毎月数件に営業メールを送る、既存顧客に紹介を依頼する、Webサイトの事例を更新するなど、無理なく継続できる方法を決めておきましょう。
売上を分散することだけを目的にしない
「1社依存を避けよう」と考えると、とにかく取引先の数を増やしたくなるかもしれません。
しかし、顧客数を増やせば経営が安定するとは限りません。
たとえば、利益の少ない仕事を10社から受けるより、適正な価格で継続してくれる数社と取引するほうが、経営しやすいケースもあります。
そのため、売上の分散と同時に「どの顧客と取引すると利益が残るのか」も確認しましょう。
取引先を複数持ってリスクを分散することに加え、自社の強みを把握して取引条件を改善することが重要です。
起業後は「1社に頼る」から「複数の柱を育てる」へ
起業直後に大口の取引先を獲得できることは、事業を軌道に乗せるうえで大きな強みになります。
ただし、その状態を長く続けるのではなく、安定している間に次の顧客を開拓することが重要です。
まずは取引先ごとの売上を確認し、1社への依存度を把握しましょう。
そのうえで、既存顧客からの紹介、新規営業、Webからの問い合わせなど、自社に合った方法で少しずつ顧客を増やしていきます。
売上の柱は、短期間で一気に増やす必要はありません。
現在の主要顧客との関係を大切にしながら、2本目、3本目の柱を時間をかけて育てていくことが、起業後の安定した経営につながります。
まとめ
取引先1社への依存は、受注が安定している間は問題に気づきにくいものです。
しかし、発注量の減少や取引条件の変更などが起きると、会社の売上に大きな影響が出る可能性があります。
まずは取引先ごとの売上を確認し、特定の会社にどれだけ依存しているのかを把握しましょう。
その上で、既存顧客からの紹介や新規営業、Web集客などを活用して、少しずつ新しい顧客を増やしていきます。
大切なのは、単純に顧客数を増やすことではありません。
利益が残り、継続的に取引できる顧客を増やし、複数の売上の柱を育てることです。
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