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【即戦力】実績が上がる営業クロージング例文集!シーン別・状況別に使えるテクニック

営業活動において、どれだけ優れた提案や熱意ある説明をしても、

最後のクロージングがうまくいかなければ契約には結びつきません。

商談の成功を左右する「クロージング」は、多くの営業担当者が

苦手とする場面でもあります。

「押し付けがましくなりたくない」「断られるのが怖い」という気持ちから、

決断を促す言葉をかけられずに終わることも少なくありません。

本記事では、営業活動で成約率を高めるクロージングの基本から、

さまざまなシーン別の例文、成功のためのテクニックまで、

実践的な内容をご紹介します。

これらの例文とテクニックを身につければ、自信を持って契約を締結へと

導くスキルが磨かれるでしょう。

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営業クロージングとは?

営業クロージングとは、営業活動の最終段階で、顧客に契約の意思決定を促し、

成約に結びつけるプロセスです。英語の「Close(閉じる、終わらせる)」

から来ており、商談を締めくくる重要な局面を意味します。

具体的には、これまでの商談内容を要約し、顧客のニーズと自社提案の

マッチングを確認した上で、具体的な契約や購入の意思決定を促す段階です。

単なる手続きではなく、顧客が自信を持って「これに決める」と思えるよう

背中を押す重要な役割を担っています。

営業クロージングの重要性

クロージングの重要性は、以下の点にあります:

  1. 成約の決め手となる:どれだけ優れた提案や説明をしても、最後に決断を促さなければ、顧客は「また検討します」と判断を先延ばしにする可能性が高くなります。適切なクロージングによって、その場での意思決定を促すことができます。

  2. 商談プロセスの集大成:それまでの商談プロセスで築いてきた信頼関係や提案内容の価値を最大化する場面です。クロージングがうまくいかなければ、それまでの努力が水の泡になることも少なくありません。

  3. 顧客の決断を助ける:多くの顧客は決断することに不安を感じています。適切なクロージングは、顧客が安心して決断できるよう、背中を押す役割を果たします。

  4. 商機を逃さない:クロージングを先延ばしにすると、競合他社に顧客を奪われたり、顧客の熱意が冷めてしまったりするリスクがあります。最適なタイミングでクロージングを行うことが重要です。

クロージングは単に契約を取るためだけではなく、顧客が最適な選択をするのを

支援する重要なプロセスと言えます。

適切なクロージングによって、Win-Winの関係を構築し、持続的なビジネス関係へと

つなげることができるのです。

【シーン別】そのまま使える!営業クロージングOK例文集

自信を持って決断を促す「ストレートクロージング」

ストレートクロージングは、直接的に契約の意思を確認する方法です。

シンプルでありながら効果的なアプローチで、顧客の反応も明確に把握できます。

例文1:自信と確信を持って

「ここまでご説明した内容で、○○様の課題を解決できると確信しています。

ぜひ契約に進ませていただきたいのですが、いかがでしょうか?」

 

例文2:顧客の言葉を引用して

「先ほど○○様が『コスト削減が最優先課題だ』とおっしゃっていましたが、

弊社のサービスはまさにその課題を解決できると思います。

ぜひ一緒に取り組ませていただけませんか?」

 

例文3:メリットを強調して

「弊社のサービスを導入いただければ、年間約20%のコスト削減が見込めます。

この機会にぜひ契約を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか?」

 

ストレートクロージングを成功させるポイントは、自信を持った態度と、

これまでの商談で確認した顧客ニーズと自社提案のマッチングを簡潔に伝えることです。

相手の表情や反応を見ながら、押しつけがましくならないよう注意しましょう。

導入後の成功を具体的に描く「想像喚起クロージング」

想像喚起クロージングは、顧客に製品やサービスを導入した後の具体的な

メリットやビジネスの変化を想像させることで、前向きな決断を促す方法です。

例文1:具体的な成果を描写

「このシステムを導入いただくと、現在30分かかっている作業が5分で

完了するようになります。1日あたり約2時間の業務効率化につながりますが、

この時間を他のどんな業務に活用できると思われますか?」

 

例文2:競合との差別化を想像させる

「弊社のサービスを導入された他社様は、半年後には顧客満足度が15%アップしました。

御社でも同様の効果が見込めますが、それが競合他社との差別化にどのように貢献すると

思われますか?」

 

例文3:将来的な発展を描く

「今回ご提案したソリューションは、将来的な事業拡大にも対応できる設計になっています。

3年後、5年後の御社の姿を考えたとき、このシステムはどのようにお役に立てると

思われますか?」

 

想像喚起クロージングのポイントは、具体的かつ現実的なメリットを示し、

顧客自身に未来を想像してもらうことです。数字やデータを交えると説得力が増します。

また、質問形式にすることで顧客の参加意識を高め、自分事として捉えて

もらえるようにしましょう。

限定感を演出し、行動を促す「期限設定クロージング」

期限設定クロージングは、特典や優遇条件に期限を設けることで、

顧客の決断を促す方法です。

「今」決めることのメリットを明確にし、行動を促します。

例文1:キャンペーン期限を活用

「現在実施中の初期費用無料キャンペーンは今月末までとなっています。

これを活用いただくと、通常より30万円お得にスタートできますが、

いかがでしょうか?」

 

例文2:在庫や枠の限定性を伝える

「このプランは先着10社限定となっており、現在残り2社分のみとなっています。

御社のような条件にぴったりのプランですので、ぜひこの機会にいかがでしょうか?」

 

例文3:価格改定前の案内

「来月から価格改定を予定しており、15%ほど値上げとなります。

今月中にご契約いただければ、現行価格でご提供可能です。

この機会に進めさせていただければと思いますが、いかがでしょうか?」

 

期限設定クロージングを使う際の注意点は、嘘や過度な圧力をかけないことです。

実際に存在する期限や限定条件を伝え、選択するメリットを論理的に説明しましょう。

焦らせるのではなく、判断材料として提示する姿勢が大切です。

小さな合意から始める「段階的クロージング」

段階的クロージングは、一度に大きな決断を求めるのではなく、

小さな合意を積み重ねていくことで、最終的な契約に導く方法です。

心理的ハードルを下げる効果があります。

例文1:まず試用を提案

「いきなり本契約ではなく、まずは1ヶ月間の試用期間からスタートしてみませんか?

効果を実感していただいてから、本契約を検討いただければと思います。」

 

例文2:部分的な導入から

「全社導入は規模が大きいので、まずは営業部門から始めてみるのは

いかがでしょうか?効果を確認いただいた上で、他部門への展開を

ご検討いただけます。」

 

例文3:ステップアップ方式を提案

「最初はライトプランからスタートして、3ヶ月後に効果を検証し、

必要に応じてスタンダードプランへアップグレードする形はいかがでしょうか?

段階的に進められるので安心です。」

 

段階的クロージングの成功ポイントは、リスクを最小化して顧客の

不安を取り除くことです。

小さな成功体験を積み重ねることで信頼関係を構築し、

最終的な全面導入や上位プラン契約へと発展させていきます。

初期投資やリスクを抑えた提案が効果的です。

相手に評価・判断を委ねる「評価依頼クロージング」

評価依頼クロージングは、顧客自身に判断を委ねることで、

主体的な意思決定を促す方法です。

押し付けがましくなく、顧客視点での評価を引き出せます。

例文1:率直な評価を求める

「これまでご説明した内容について、率直にどう思われますか?

御社の課題解決に役立つ内容だったでしょうか?」

 

例文2:選択肢を提示して判断を委ねる

「A、B、Cの3つのプランをご提案しましたが、御社の状況に最も合っているのは

どれだと思われますか?」

 

例文3:優先順位を確認する

「今回ご提案した5つの機能の中で、御社にとって特に重要だと感じられたのは

どの部分でしょうか?」

 

評価依頼クロージングのポイントは、質問によって相手の主体性を引き出すことです。

自分で選んだという感覚を持ってもらうことで、決断への抵抗感が減少します。

また、顧客の反応から関心の度合いや懸念点を把握し、フォローアップに

活かすことができます。

成功は準備で決まる!クロージング前の必須確認「BANT条件」

クロージングの成功確率を高めるには、事前の準備と条件確認が不可欠です

特に「BANT条件」と呼ばれる4つの要素を押さえておくことが重要です。

Budget(予算):予算感の確認と具体的な聞き方

例文1:直接的な確認

「このプロジェクトについて、どの程度の予算をお考えでしょうか?」

 

例文2:範囲を提示する方法

「一般的に同規模の企業様では、○○万円から△△万円程度の予算で

導入されていますが、御社ではどの程度をお考えでしょうか?」

 

例文3:選択肢を提示する方法

「弊社では100万円未満のライトプラン、100〜300万円のスタンダードプラン、

300万円以上のプレミアムプランをご用意していますが、どのあたりが

現実的でしょうか?」

 

予算確認のポイントは、顧客が答えやすい質問の仕方をすることです。

いきなり具体的な金額を聞くのではなく、範囲や選択肢を示したり

業界の相場を伝えたりすることで、相手が答えやすくなります。

また、予算が合わない場合は、範囲内で提供できる価値を再検討したり、

段階的な導入を提案したりする余地を残しておきましょう。

Authority(決裁権):キーパーソンの見極めとアプローチ法

例文1:決裁プロセスの確認

「最終的な決裁はどなたが行われるのでしょうか?また、決裁までのプロセスについて

教えていただけますか?」

 

例文2:関係者の特定

「このプロジェクトの意思決定には、他にどなたが関わっていらっしゃいますか?

その方々にもご説明する機会をいただければと思います。」

 

例文3:決裁者への提案調整

「決裁者の方が特に重視されるポイントはどのような点でしょうか?

ご提案内容を調整させていただきたいと思います。」

 

決裁権確認のポイントは、実際の意思決定者と決裁プロセスを把握することです。

商談相手が必ずしも最終決裁者ではないことも多いため、初期段階から

確認しておくことが重要です。

また、決裁者の価値観や重視するポイントを理解し、それに合わせた提案内容の調整が

成功への鍵となります。

Needs(必要性):顧客ニーズの最終確認と共感の示し方

例文1:課題の再確認

「これまでの話し合いから、○○という課題が最も重要だと理解していますが、

認識に相違はないでしょうか?」

 

例文2:優先順位の確認

「御社では、コスト削減、業務効率化、顧客満足度向上の3点が課題として

げられていましたが、特に優先して解決したいのはどれでしょうか?」

 

例文3:共感を示す確認

「人手不足による業務の遅延が大きな課題になっているとのことで、

それによって機会損失も発生している状況は本当に大変ですね。このような理解で

合っていますか?」

 

ニーズ確認のポイントは、顧客の本質的な課題を正確に理解し、共感を示すことです。

表面的なニーズだけでなく、その背景にある本質的な課題(なぜそれが問題なのか)

まで掘り下げて理解することが重要です。

また、顧客の言葉を用いて課題を言語化することで、「理解してもらえている」

という安心感を与えることができます。

Timeframe(導入時期):希望時期のヒアリングと緊急性の伝え方

例文1:導入時期の確認

「導入時期について、いつ頃をご希望でしょうか?」

 

例文2:スケジュールの具体化

「ご契約から導入までは通常2ヶ月程度かかりますが、いつからの稼働を

想定されていますか?」

 

例文3:緊急性の伝え方

「年度末にむけた準備を考えると、10月中の契約が理想的なタイミングです。

そうすれば年内に導入を完了し、1月から効果を出せる体制が整います。」

 

タイムフレーム確認のポイントは、顧客の希望時期と実現可能なスケジュール

すり合わせです。

導入時期の希望を確認した上で、契約から導入までのプロセスと必要期間を説明し、

逆算した契約締結のデッドラインを示すことで緊急性を伝えることができます。

また、季節要因やキャンペーンなど、時期に関わる付加価値も効果的に伝えましょう。

クロージング成功のための5つの基本テクニック

1:見極めが肝心!最適な「クロージングのタイミング」とは?

クロージングのタイミングを見極めることは、成約率を大きく左右します。

以下のシグナルを感じたら、クロージングに進むべきタイミングと考えられます。

クロージングに最適なタイミングの見極め方

  • 顧客が具体的な質問(価格、導入方法、サポート体制など)を多く投げかけてくる
  • 導入イメージについて積極的に話し始める
  • 「もし導入したら…」という仮定の話をする
  • 頷きや前のめりの姿勢など、肯定的な非言語コミュニケーションが増える
  • 競合との比較検討を始める

例文:タイミングを確認する質問

「ここまでの説明で、ご不明点は解消されましたか?他にご質問などあれば、

ぜひお聞かせください。」

 

「御社の状況を考えると、このソリューションは課題解決に効果的だと思いますが、

同じようにお感じいただけていますか?」

 

タイミングを見極める際のポイントは、顧客の言葉だけでなく、表情や姿勢など

非言語情報も含めて総合的に判断することです。

また、まだ不安や疑問が残っている場合は、それらを解消してからクロージングに

進むことで成功率が高まります。

2:沈黙を味方につける「ゴールデンサイレンス」の効果的な使い方

ゴールデンサイレンス(戦略的な沈黙)は、クロージング時に非常に効果的な

テクニックです。

クロージングの質問をした後、意図的に沈黙を作ることで、顧客に考える時間を与え、

決断を促します。

ゴールデンサイレンスの効果的な使い方

  1. クロージングの質問をはっきりと伝える
  2. 質問後、目線を合わせたまま黙って待つ(5〜10秒)
  3. 沈黙を破るのは常に顧客側にさせる
  4. 顧客の反応に応じて次のアプローチを決める

例文:ゴールデンサイレンスを活用したクロージング

「これまでのご説明で、御社の課題解決にお役立ていただけると思いますが、

ご契約に進ませていただいてもよろしいでしょうか?」

(そのまま5〜10秒沈黙し、相手の反応を待つ)

 

ゴールデンサイレンスを使う際のポイントは、沈黙を恐れないことです。

多くの営業担当者は沈黙に耐えられず、すぐに話し始めてしまいますが、

それではクロージングの効果が半減します。沈黙の間、顧客は提案内容を考え、

決断のプロセスを進めています。焦らずに待つことが成約への近道となります。

3:顧客が決断しやすい「選択肢の提示」方法と比較の軸

選択肢の提示は、顧客の決断を助けるための効果的なテクニックです。

「Yes/No」の二者択一ではなく、複数の選択肢から選んでもらうことで、

心理的ハードルを下げることができます。

効果的な選択肢提示のポイント

  1. 3つ程度の選択肢を用意する(多すぎると混乱する)
  2. すべての選択肢が顧客にとって価値のあるものにする
  3. 選択肢の違いを明確に示す(価格、機能、サポート内容など)
  4. 自社としておすすめのプランを提示する

例文:選択肢を提示するクロージング

「御社の状況を考慮すると、以下の3つのプランが考えられます。

Aプラン:初期費用を抑えたいなら、ライトプラン(月額5万円)

Bプラン:コストパフォーマンスを重視するなら、スタンダードプラン(月額8万円)

Cプラン:全機能をフル活用するなら、プレミアムプラン(月額12万円)

御社の優先順位を考えると、どのプランが最適とお考えでしょうか?」

 

選択肢提示のテクニックを使う際のポイントは、顧客が比較・検討しやすいよう、

各選択肢のメリット・デメリットを明確にすることです。

また、顧客の状況を踏まえて、おすすめのプランを提案することで、

決断の助けとなります。

4:「もし導入いただけるとしたら…」仮定の話で不安を払拭

仮定の話を用いたクロージングは、顧客の心理的ハードルを下げながら、

導入後のイメージを具体化する効果的な方法です。「もし〜だとしたら」

という仮定形を使うことで、プレッシャーを感じさせずに前向きな検討を促します。

仮定の話を使ったクロージングのポイント

  1. 仮定形を使って心理的抵抗を減らす
  2. 具体的な導入後のイメージを描く
  3. 顧客の反応から関心度を測る
  4. 前向きな反応があれば本契約に話を進める

例文:仮定の話を使ったクロージング

「もし来月から導入いただけるとしたら、年度内に約20%の業務効率化が見込めます。

御社の場合、この時間をどのような業務に充てることができそうでしょうか?」

 

「もしこのシステムを導入いただいた場合、最初はどの部門から活用されたいと思いますか?」

 

仮定の話を使う際のポイントは、「もし〜なら」と言いながらも、

具体的かつ現実的なメリットや運用イメージを示すことです。

顧客が前向きに回答するほど契約に近づいています。積極的な回答があれば、

「では、実際に進めていきましょうか?」と本クロージングに進みましょう。

5:メリットだけじゃない!「デメリット」の正直な伝え方

意外かもしれませんが、製品やサービスのデメリットを正直に伝えることは、

クロージングの成功率を高める効果があります。一見逆効果に思えますが、

以下の理由から効果的です。

  1. 信頼関係の構築:一方的なメリットだけでなく、デメリットも伝えることで誠実さを示せる
  2. 予防線の効果:導入後のギャップを減らし、クレームを防止できる
  3. 顧客の懸念を先回りして解消:「実はそれほど大きな問題ではない」ことを伝えられる

例文:デメリットを正直に伝えるクロージング

「正直に申し上げると、このシステムは初期設定に2週間程度かかります。

ただ、その後の業務効率化を考えると、長期的には大きなメリットがあると

考えています。導入時期に余裕を持たせれば問題なく対応できますが、

いかがでしょうか?」

 

「競合他社と比較すると、弊社の初期費用は若干高めです。

ただし、月額料金は業界最安値水準で、2年目以降はトータルコストで

最も経済的になります。長期的な視点では大きなメリットがあると考えていますが、

どのようにお感じになりますか?」

 

デメリットを伝える際のポイントは、デメリットを伝えた後、

それを相殺するメリットや解決策も合わせて提示することです。

これにより、顧客は包括的な判断ができます。また、デメリットはあえて小さく、

メリットは大きく伝えるなど、伝え方にメリハリをつけることも効果的です。

本番前に確度を高める「テストクロージング」の効果的な使い方

テストクロージングとは、本格的なクロージングの前に顧客の購買意欲や

関心度を測るテクニックです。

本番のクロージングの成功確率を高めるための重要なステップと言えます。

テストクロージングの目的

  1. 顧客の現在の心理状態や関心度を測る
  2. 抵抗や懸念がある場合に早期に発見し対処する
  3. クロージングのタイミングが適切かどうかを判断する
  4. 顧客の購買意欲を徐々に高める

効果的なテストクロージングの例文

「ここまでの説明で、御社の課題解決に役立つ内容だと感じていただけましたか?」

 

「もしこのサービスを導入するとしたら、いつ頃からの開始をお考えでしょうか?」

 

「複数のプランをご説明しましたが、どのプランが最も御社の状況に合っていると

思われますか?」

 

「この提案内容について、社内で検討いただく場合、どなたにご説明される予定ですか?」

 

「今回の提案内容で、何か不明点や懸念点はありますか?」

 

テストクロージングを行う際のポイントは、質問形式で顧客の反応を見ることです。

肯定的な反応があれば本クロージングに進み、懸念や質問が出てきた場合は

それらを解消してから本クロージングに進むという流れが効果的です。

テストクロージングは商談全体を通して何度か行い、顧客の気持ちの変化を

把握することが重要です。

やってはいけないNGクロージング例文と改善策

クロージングの成功率を高めるためには、効果的なテクニックを

身につけるだけでなく、避けるべきNGパターンも理解しておく必要があります。

以下に代表的なNGクロージングとその改善策を紹介します。

曖昧な質問「どうですか?」

NG例文

「いかがでしょうか?どうですか?」

 

このような曖昧な質問では、顧客は何に対して回答すべきか分からず、

「また検討します」などと言って先送りにされる可能性が高まります。

改善例文

「弊社のサービスは、御社の課題である作業時間の短縮に直接貢献できると

考えています。この点について、どのようにお感じになりますか?」

 

「今回ご提案したプランA、B、Cの中で、御社に最も適していると

思われるのはどれでしょうか?」

 

改善のポイントは、具体的な質問にすることです。何について判断や意見を

求めているのかを明確にし、具体的な回答を引き出せるようにしましょう。

押し売り感満載の畳みかけ

NG例文

「これほど条件の良い提案はほかにないと思いますよ。

今日決めていただかないと、この特別価格は適用できません。

ぜひ今すぐ契約しましょう!」

 

このような強引な畳みかけは、顧客に不信感や反発心を抱かせる原因となります。

押し売り感は信頼関係を損ねるリスクがあります。

改善例文

「今回の特別価格は今月末までの期間限定となっています。

ご検討のタイミングとしては、いかがでしょうか?もし追加の情報が必要であれば、

喜んでご提供します。」

 

「この提案が御社の課題解決に役立つと考えていますが、判断するために

必要な情報は十分でしょうか?不明点があれば、補足説明させていただきます。」

 

改善のポイントは、事実を伝えつつも、顧客の判断を尊重する姿勢を示すことです。

期限や条件は明確に伝えながらも、押しつけではなく、顧客のペースを

尊重する表現に変えましょう。

根拠のない自信と断定

NG例文

「絶対に失敗しません!100%効果があります!」

 

「絶対」「必ず」「100%」などの言葉は、根拠のない過剰な表現として

顧客の警戒心を高める可能性があります。

特に経験豊富なビジネスパーソンほど、このような表現に懐疑的です。

改善例文

「同様の課題を持つA社様では導入後3ヶ月で30%の効率化を実現しました。

御社でも同様の効果が期待できると考えています。」

 

「過去5年間で200社以上の導入実績があり、94%のお客様から満足の声を

いただいています。御社でも高い効果が期待できると思いますが、

いかがでしょうか?」

 

改善のポイントは、具体的な数字や事例に基づいた説得力のある説明をすることです。

過去の実績や顧客の声など、客観的な事実を基に期待される効果を伝えることで、

信頼性が高まります。

安易な値引きによる譲歩

NG例文

「今すぐ契約いただければ、特別に20%値引きします!」

 

顧客の躊躇を感じると即座に値引きを持ち出すのは、製品・サービスの価値を

自ら下げる行為です。

また、こうした提案は「まだ値引きの余地がある」と顧客に思わせ、

さらなる値下げ交渉を招く恐れがあります。

改善例文

「価格面でご懸念があるようですね。導入効果を考えると、半年で

初期投資が回収できる計算です。具体的なROI分析をご説明しましょうか?」

 

「予算に制約があるようでしたら、機能を絞った基本プランから

スタートする方法もあります。

その場合、初期費用を30%抑えることが可能です。

基本的な機能から始めて、効果を確認しながら徐々に拡張していくことを

お勧めします。」

 

改善のポイントは、単純な値引きではなく、顧客にとっての投資対効果(ROI)

を説明したり、予算に合わせたプランの調整を提案したりすることです。

価格ではなく価値に焦点を当て、長期的なメリットを強調しましょう。

クロージングで使える心理学テクニック応用編

営業クロージングでは、人間心理の原理を活用することで成約率を

高めることができます。

以下に、効果的な心理学テクニックとその活用法を紹介します。

イエスバット法・イエスアンド法

イエスバット法は、顧客の意見や懸念に一度共感・同意してから(YES)、「しかし」(BUT)と続けて自社の提案のメリットを伝えるテクニックです。イエスアンド法は、

「さらに」(AND)と付け加えて、追加のメリットを伝える方法です。

イエスバット法の例文

「おっしゃる通り、初期費用は競合他社より高めです(YES)。

しかし(BUT)、月額費用は業界最安値であり、2年目以降のトータルコストでは

最もお得になります。」

 

イエスアンド法の例文

「おっしゃる通り、このシステムは操作が簡単で直感的に使えます(YES)。

さらに(AND)、詳細なマニュアルとオンラインサポートも充実しているので、

初めての方でも安心してお使いいただけます。」

 

これらのテクニックのポイントは、まず相手の意見を尊重・共感することで

心理的抵抗を減らし、その上で自社提案のメリットを伝えることです。

「YES」の部分は真摯に、「BUT」や「AND」の部分は熱意を持って

伝えるとより効果的です。

イエスセット話法の具体的な使い方

イエスセット話法は、小さな「はい」を積み重ねることで、

最終的な大きな「はい」(契約)を引き出すテクニックです。

人は一貫性を保とうとする心理があり、何度も「はい」と答えた後は、

最後の質問にも「はい」と答える確率が高まります。

イエスセット話法の例文

「御社では現在、データ入力に多くの時間がかかっているとのことですね?」(はい)

「それによって、本来の業務に支障が出ていると感じていらっしゃいますか?」(はい)

「もし入力作業が半分の時間で済むようになれば、業務効率が上がると思いますか?」(はい)

「弊社のシステムは、まさにその課題を解決するために開発されたものです。

ぜひ導入を検討いただけませんか?」

 

このテクニックを使う際のポイントは、最初はイエスと答えやすい質問から始め、

徐々に本題に近づけていくことです。

また、相手の現状や課題に関する質問から始めることで、共感の姿勢も示せます。

ドア・イン・ザ・フェイス

ドア・イン・ザ・フェイス(Door-in-the-face)テクニックは、

最初に大きな要求をして断られた後、より小さな要求をすることで

承諾を得やすくするテクニックです。最初の要求と比較して「妥協した」

と感じさせる効果があります。

ドア・イン・ザ・フェイスの例文

「御社の全社的な業務改革のため、フルパッケージの導入をお勧めします。

初期費用300万円、月額15万円となります。」(断られた場合)

「わかりました。まずは最も課題の大きい営業部門だけでの導入から

始めてみてはいかがでしょうか?初期費用100万円、月額5万円でご提供可能です。」

 

このテクニックを使う際のポイントは、最初の提案も相手にとって

全く不合理ではなく、理想的なソリューションとして提示することです。

その上で、断られた場合に「相手に配慮した」代替案として次の提案をすることで、

受け入れられる確率が高まります。

損失回避の法則

損失回避の法則とは、人間は同じ価値のものでも、得ることよりも

失うことを避けようとする心理傾向のことです。

つまり、メリットを強調するよりも、導入しないことで失われる機会やリスクを

伝える方が、決断を促せる場合があります。

損失回避の法則を活用した例文

「このシステムを導入すれば、年間約500万円のコスト削減が可能です」よりも

「このシステムを導入しない場合、年間約500万円のコスト削減の機会を

逃してしまうことになります」

 

「今月中のご契約で、特別キャンペーン価格が適用されます」よりも

「今月末を過ぎると、特別キャンペーン価格が適用されず、通常価格より

20%高くなってしまいます」

 

このテクニックを使う際のポイントは、単に脅すのではなく、

事実に基づいた論理的な説明をすることです。

また、伝え方によっては不安を煽る印象を与える可能性もあるため、

信頼関係が構築された段階で使用するのが効果的です。

リモートでも確実に決める!オンラインクロージング特化戦術

コロナ禍以降、オンライン商談が一般化し、対面とは異なるクロージングスキルが

求められるようになりました。

オンライン特有の課題を理解し、効果的なクロージングを実現するための

テクニックを紹介します。

オンラインクロージング特有の課題

オンライン商談では、以下のような対面商談とは異なる課題があります。

  1. 非言語コミュニケーションの制限:表情や身振りが伝わりにくく、相手の反応を読み取りづらい
  2. 集中力の低下:長時間のオンライン会議で集中力が途切れやすい
  3. 信頼関係構築の難しさ:画面越しでは人間関係の構築にやや時間がかかる
  4. 技術的問題:通信トラブルや機器の不具合でスムーズな会話が阻害される可能性
  5. 資料の共有と理解:画面共有での説明が理解されにくいケースがある

これらの課題を克服するための工夫が必要です。

オンラインでの表情・声・ジェスチャーのコツ

オンラインでの非言語コミュニケーションを効果的に行うためのポイントです。

  1. カメラ目線を意識する:カメラを直接見ることで、相手に「目を見て話している」印象を与える
  2. 表情を少し大げさに:オンラインでは表情が伝わりにくいため、やや大げさな表情を心がける
  3. 声のトーンと速度:単調にならないよう、抑揚をつけ、重要な箇所ではゆっくり話す
  4. ジェスチャーを活用:適度なハンドジェスチャーで説明に臨場感を持たせる
  5. 相槌と反応:相手の話に明確な反応を示し、聞いていることを伝える

例文:オンラインでの反応確認

「画面越しでは伝わりにくい部分もあるかと思いますが、

ここまでの説明は明確でしょうか?何かご質問があればお聞かせください。」

 

オンライン商談を劇的に効率化するツール連携

オンライン商談の効果を高めるためのツール活用法です。:

  1. 事前の資料共有:会議前に資料をメールで送付し、予習できるようにする
  2. 画面共有の効果的な使用:説明したい箇所を明確にハイライトし、ポインターを活用する
  3. 電子サインツールの準備:クロージングが成功した場合、すぐに契約書にサインできるよう準備
  4. チャット機能の活用:補足情報やURLをチャットで共有し、音声と並行して情報提供
  5. 記録と議事録:許可を得た上で会議を録画し、後から確認できるようにする

例文:ツール連携の提案

「本日の提案内容をより具体的にイメージいただくため、

弊社の導入事例をPDFでチャットに送らせていただきます。

ご契約いただける場合は、電子サインツールでその場で手続きが完了できますので、

ご安心ください。」

 

効果的なクロージングトーク例

オンライン商談ならではのクロージングトーク例を紹介します。

例文1:オンライン特有の提案

「オンラインでのご説明で不明点があるかもしれませんので、

ご契約前に無料で1時間のオンラインデモをご用意しています。

実際の操作感を体験いただいた上で、最終判断いただければと思います。」

 

例文2:時間節約のメリットを強調

「オンラインでご商談いただいているように、このシステムを導入いただければ、

移動時間を削減し、より多くの顧客対応が可能になります。

今この場でご契約いただければ、来週から導入準備に入ることが可能です。」

 

例文3:不安解消のためのフォロー提案

「オンラインでのご説明だけでは不安な点もあるかと思います。

ご契約後も、導入から運用まで専任のサポート担当がオンラインで

しっかりサポートいたしますので、ご安心ください。」

 

オンラインクロージングを成功させるポイントは、対面以上に丁寧な

コミュニケーションを心がけ、不安要素を先回りして解消することです。

また、対面よりも集中力が途切れやすいため、簡潔明瞭な説明と、

適切なタイミングでの質問や確認が重要です。

まとめ:自信を持ってクロージングを成功させ、明日からの成果に繋げよう!

営業クロージングは、それまでの商談プロセス全体の成果を左右する重要な局面です。

本記事で紹介したさまざまなテクニックと例文を活用することで、

クロージングの成功率を高め、営業成績の向上につなげることができるでしょう。

成功するクロージングのポイントをまとめると

  1. 事前準備の徹底:BANT条件を確認し、顧客の状況を十分に理解した上でクロージングに臨む
  2. 適切なタイミングの見極め:顧客の言動や表情から、クロージングに最適なタイミングを判断する
  3. シーンに合わせた例文の使い分け:顧客の状況や性格に合わせて、最適なクロージング手法を選択する
  4. テストクロージングの活用:本格的なクロージングの前に、顧客の反応を確認する
  5. オンライン特有の工夫:リモート商談では、対面とは異なるアプローチを意識する
  6. 心理学テクニックの応用:人間心理の原理を理解し、効果的に活用する
  7. NGパターンの回避:顧客の反感を買うような言動は避ける

クロージングは単なるテクニックではなく、顧客との信頼関係を前提とした

「支援」です。

押し売りではなく、顧客が最適な選択をするためのサポートという姿勢で

臨むことが、最終的な成約率の向上につながります。

本記事で紹介した例文やテクニックを、ぜひあなた自身のスタイルに合わせて

カスタマイズし、明日からの営業活動に取り入れてみてください。

クロージングに対する不安が自信に変わり、営業成績の向上につながることを

願っています。

営業の成功は、最後の一言で決まることがあります。自信を持って

最高のクロージングを実現しましょう!

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