このシリーズ記事では、優秀な営業マンが考える「売れる考え方と行動」を理解していただき、記事を読んでいるあなたも優秀な営業マンになることを目的としています。
前回までは営業活動をどのよう行えばよいか、具体的にお伝えしてきました。今回は最終回です。これまで学んでいただいた営業テクニックを駆使して、目標達成していただくための「目標管理」について記述していきます。
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「目標管理」とは「目標達成させるためにコントロールする」こと
あなたは新規開拓営業において、ご自身の目標を設定して(会社から設定されて)いますか?
目標管理とは、設定した目標を達成できるように、関連する事項をコントロールして目標達成まで到達させることです。新規開拓営業において、目標設定は不可欠です。ご自身の目標を振り返ってみると、目標を設定するものの、実際には到達不可能な非現実的な目標設定をしていませんか?既存顧客対応が忙しくなって新規開拓営業の取り組みができていなかったり、期限ぎりぎりになってもまだ目標達成の目途が立ってなかったりしていませんか?結果的に、最初に設定した目標を下方修正する場面もよく目にします。
目標達成までのプロセス
目標を設定してから達成するまでのプロセスは、下記です。
1. 達成すべき目標の立案
2. 目標を達成するための計画を作成(P:Plan)
3. 計画を実行(D:Do)
4. 計画通りに進んでいるか、また進んでいなければ何をどう修正するかの進捗確認(C:Check)
5. 修正した内容をもとに実行(A:Action)
よく、PDCAサイクルと言われますが、より分かり易く表現するために、AもDと表現します。そして、実際のPDCAサイクルの動きは、目標設定をした後に計画を立案し、その後に実行と進捗確認を繰り返すことになります(PDCDCDCDCDCDC・・・)。
計画立案は最初に大きく行いますが、その後は実行と進捗確認・計画修正を繰り返します。再び計画立案という大きな取り組みを行うのは早くて3ヶ月、一般的には6ヶ月程度は最初に立案した計画を修正対応していきます。
それでは各項目の詳細を解説していきます。
達成すべき目標の立案
目標達成までのプロセスの最初の段階は、目標設定です。「目標設定」と一言で言いますが、実際には精度の高い目標設定するのはとても難しく、十分な検討期間と経験値を必要とします。精度の高い目標設定をするためには下記2点の注意が必要です。
- 成り行きで達成される目標を設定しない
- 到達不可能な目標設定はNG
目標設定は、少し頑張れば到達できる、到達できた時には達成感と喜びがある、ところに設定をすることがポイントです。
成り行きで達成される目標を設定しない
目標とはそもそも、現状維持より良い状態を目指し、設定されるものです。成り行きで達成される状態をOKとするのであれば、目標を意識する必要はありません。意外ですが、ビジネスの現場では成り行きでOKという状態は多く発生しているのが現状です。
到達不可能な目標設定はNG
成り行きで達成される目標とは逆に、はるか高い目標を設定し、果敢にチャレンジすることで「その目標は達成ができなかったとしても、当初に比べたら大きく進歩をしている」状態を期待して、到達不可能な目標設定をする企業も実際にあります。山登りをほとんどしたことがない人に、半年後にエベレストを登るという目標設定を立てさせ必死でトレーニングをさせる。そうするとエベレストには登れなくても、富士山には登れるようになっている、といった感じです。でもよく考えてみてください。人は明らかに到達不可能な目標設定を課されると、果敢にチャレンジするどころか1歩も前に動かなくなります。つまり到達不可能な目標設定は組織の停滞につながる恐れがあります。
目標を達成するための計画を作成(P:Plan)
目標設定を行った後には、その目標を具体的にどう達成するのかについての計画を立案します。この「計画立案」も目標設定とならび非常に難易度の高い仕事であり、下記2点のポイントがあります。
- 目標達成に有益であると考えられる手段をすべてリストアップする
- 目標設定と計画立案は同時に検討する
目標達成に有益であると考えられる手段をすべてリストアップする
実際に実行するかは後で考え、候補となる手段をすべて書き出し、最も有効な手段を選定し、実行に移ることが大切です。「有効と思われる1つの手段を思いついた時に、その方法をすぐに実行したけど、結果的に、その方法は有益ではなく他の手段の方が有効だった。」過去にこんな経験はありませんか?最も有効な手段を実行するため、事前にすべての手段をリストアップすることで、計画立案の失敗を防げます。
目標設定と計画立案は同時に検討する
目標と計画は別々に考えることができません。「この目標だからこの手段を取る」こともあれば、「この手段を思いついたから目標を変える」こともあります。目標設定は計画が固まった段階からは変えてはいけませんが、計画立案の段階では目標設定は変えてもいいのです。つまり、目標設定と計画立案は同時に検討をしていきます。
計画を実行(D:Do)
計画で決めた行動を実行します。実際の営業現場においては、この実行段階に問題を抱えることも多くあります。皆で目標設定をし、このような計画で実施すると決めたにも関わらず、その通りに実行できないことが発生します。これには、大きく下記2つの原因があります。
- 目標設定に問題を抱えている
- 計画の実現性が乏しい
目標設定と計画立案が適切であれば、実行に問題を抱えることはほとんどありません。計画通りに実行がなされないという場合は、その前段階の目標設定と計画立案を見直すことが効果的です。
計画通りに進んでいるか、また進んでいなければ何をどう修正するかの進捗確認(C:Check)
計画を実行したら、定期的にで進捗確認をします。営業活動の進捗確認は週1回を推奨します。営業の進捗会議を月1回行っている企業がありますが、月1回のペースでは結果確認となってしまい、目標達成に向けた現状認識と計画修正という本来の進捗確認の役割を果たせないからです。
進捗確認は実現可能性を担保した修正計画を立案すること
進捗確認にも技術があります。まずは、足りないことを確認することだけでは進捗確認としては不十分です。
「今月の目標は200万円、1週間経った現在の成果は50万円、あと150万円足りないから頑張ろう」このような会議をする企業がありますが、あと150万円足りないのは引き算をすれば誰でも分かります。わざわざ会議をする必要はありません。
進捗確認とは、目標に対してどれだけ差異があるのかを確認し、その差異を具体的にどのように埋めていくのかを考え、当初の計画を修正するところまでを含みます。現状確認を行うと計画に対して遅れを取っている場合が多くあります。しかし、目標設定とその期限は変わりません。よって、当初の計画よりも速く、効率的に行動し成果を出す必要があります。しかし、数字のつじつまを合わせだけの修正計画を作っても、実現可能性がありません。当初の計画よりも厳しくなる中で、いかに実現可能性を担保した修正計画を立案することができるか、進捗確認が難しい理由はここにあります。
当初の計画の精度が高ければ、進捗確認による計画修正の幅も少なくて済みます。しかし、いかに計画を緻密に作ったとしても、当初の計画通りに物事が進むことは稀です。進捗確認・計画修正の技術を身につけ、実現可能性のある計画修正を繰り返し行う事により、目標達成にむけて階段を1歩1歩登って行けます。
記事のまとめ
この記事は目標達成していただくための「目標管理」について記述してきました。
目標管理とは、設定した目標を達成できるように、関連する事項をコントロールして目標達成まで到達させることです。シリーズで解説した目標達成をするための項目を活用し、今回記述したプロセスを経て、目標を意識して取り組んでください。そうすれば、あなたには明るい未来が待っているでしょう!!